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【暮らしと介護*コラム vol.1】介護保険制度成立前の在宅介護

仕事と介護両立支援事業担当の千葉です。
まずは、イベントのお知らせです。

くらしとかいごのちいさなシンポジウム in仙台(うれしや)


大切な両親やパートナーに、もし、介護が必要なったら。
その時のために、知っておきたい介護について… 「うれしや」さんの美味しくヘルシーなランチを食べながら一緒にお話しませんか?

会費 500円(ランチ代として) 定員5名さま
主催:一般社団法人りぷらす 共催:仙台駅東エリアマネジメント協議会
※お問い合わせ:(一社)りぷらす 千葉:0225-98-8957

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今から20年以上前、私がとあるちいさな外科に勤めていた頃。まだ、介護保険制度はなく措置入所の時代で次々に入院してくる高齢者を看護していました。ほとんどの入院患者に、「寝たきり」が原因できた「褥瘡」が見られ、目を覆いたくなるほど悪化していました。当然、家族の手には負えない状態です。

介護保険制度が確立するまでは、親の介護は「その家のお嫁さんがするのが当たり前」と考えられていました。施設やサービスなんてご法度な時代です。やむなく施設入所したとなれば親族や近所からバッシングを受けていました。そんな時代に、私はある介護者に出会いました。その方は、近所にある駄菓子屋のお嫁さん。それまでの仕事を辞め、おばあちゃんの介護をしながら、駄菓子屋を細々と営んでいました。

お嫁さんにはほとんど自由な時間がありませんでした。おばちゃんは昼夜逆転して夜中に大声で騒ぎおむつをむしって散らかしたり、時には噛みついていました。お嫁さんはぽっちゃり体系がどんどん萎んでいき、歯も50代の若さでありませんでした。人との交流もなく、表情は暗く固まっていたのを覚えています。何年かして駄菓子屋のおばちゃんが無くなったと聞きましたが、お嫁さんは、今どうしているのでしょう…とても気になります。

彼女が、介護に費やした10年近い歳月。幸せだったのでしょうか?

介護保険制度が成立し、褥瘡があっても入浴できたりショートステイが出来たり、認知症専門の施設(グループホーム)等、サービス増えたくさんのサービス事業所が出来ました。 「介護保険料を納めているんだから、遠慮しないで利用したらいいんじゃない」と、堂々と言えるような時代になりました。介護に対して柔軟になったのは、本当にごく最近のことだと実感しています。

今の時代に駄菓子屋のおばちゃんが生きていたら、お嫁さんは歯医者に行けたかもしれないな…

あの頃、日に日に萎えていったお嫁さんの姿をふと思い出す、今日この頃です。

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一般社団法人りぷらすweb site
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