なぜ早め早めの対処が必要? 仕事と介護と家庭の両立 2016年12月26日 前回の記事では、離れて暮らすご両親の暮らしぶりから、「あれっ?いつもとちょっと様子が違う?!」と気づいた時に対処してこそ、介護の主な原因となりやすい脳卒中や認知症、転倒による骨折を未然に防げること。そして、帰省のタイミングは、両親そして家族皆んなが、ありたい暮らしを考える絶好の機会であることをお伝えしました。 【前回の記事】 帰省のタイミングこそ、家族の暮らしについて話し合うチャンスです! そうは言っても、実際のところ「私の親は健康だから大丈夫!」と思っている方が多いはず。それ以前に…ご両親の年齢を覚えてらっしゃいますか? ***** さて今回は、なぜ早め早めの対処が必要なのか考えてみたいと思います。 まず、介護と年齢の関係性について知っておきましょう。 下記をご覧ください。 介護が必要な人は、 ◆70~74歳では、およそ16人に1人、75~79歳ではおよそ7人に1人、80~84歳ではおよそ3人に1人が要介護の認定者となっています。つまり要介護認定率は、5歳増えるごとにおよそ2倍ずつ増えていることが分かります。 ◆では、日本中に介護が必要な人(要介護者)は何人くらいいるかご存知でしょうか? 厚生労働省の調査によると、その数はおよそ20人に1人(621万人:2016年4月時点)。 http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m16/dl/1604a.pdf さらに、介護する家族の数は、およそ557万人いると報告されています(2012年就業構造基本調査参照)。 ところが、これが「表面的な数にしか過ぎない」を話す研究者もいます。 東レ経営研究所ダイバーシティー&ワークライフバランス研究部の渥美氏の報告によると、隠れ介護に相当する人はおよそ1300万人おり、知らぬ間に増え企業の対応も後手に回っていると。その数は今後ますます増えていくでしょう。 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81018990X11C14A2I00000/ ◆次は、介護の原因について考えていきます。 2013年の国民生活基礎調査によると、要介護となる原因の第1位は脳卒中。次いで2位が認知症、3位に高齢による衰弱、4位骨折転倒、5位関節疾患と続きます。 上位5位にランクインする脳卒中、転倒骨折は、或る日突然起こるのが特徴です。つまり、まだ大丈夫だと思っていても、或る日突然起こってしまうのです。また、これらの原因は、出来るだけ早くサインに気づき、適切な対処をとることが大切です。その理由は以下の3つ。 治る病気や「一時的、改善可能」な症状である場合があります。 症状の進行を遅らせることが可能な場合があります。 家族で協力しながら、今後の生活に向けた準備をすることができます。 ※介護の原因の主な背景について 脳卒中:高血圧、糖尿病、食習慣 認知症:運動不足、抑うつ状態、視力・聴力低下 転倒骨折:転倒歴、糖尿病、バランス能力低下 ◆介護状態を予防すること、そのきっかけは家族でも気づけることが多い。 これらの状態は、上述のように早期に発見することがとても大事です。それによって、また介護する家族を支える資源にもつながります。 そのためには、「あれっ」という違和感にいつ気付けるかです。 その違和感を大切にして「書き留め」、専門機関に相談する際に共有することで、スムーズな支援につながります。 ◆今回のまとめ ・介護は、年齢が上がるごとに該当者が増加し、5歳ごとに2倍に増えていく。 ・介護が必要な人は、全国に621万人以上 ・介護する家族は、全国に557万人以上 ・介護の原因の1位は脳卒中、2位は認知症 ・あれっていう違和感を書き留め、相談機関に共有する 如何でしたでしょうか? 次回以降は、認知症や転倒について分かりやすく解説していきます。 ◆脳卒中予防の秘けつ(国立循環器病研究センター) ◆石巻市にご両親がお住まい場合(参考資料) 認知症ケアパス ◆石巻にお住まいのご両親に「あれ?」を感じたら… 私たち「りぷらす」までご相談ください。 ◆くらしと介護の相談所@石巻 ◆専門家とグットコミュニケーションを ◆NHKあさイチ シリーズ・親が、心配。 ~年末年始“実家チェック”~ 一般社団法人りぷらすweb sitePR